70年代Marshallをモデルに作られたSL(スーパーリード)のコンパクトペダルです。
だいぶ前からガスリーがツアーで使っていて、Aristocratsのリフを弾いてみたかったので購入しました。
Xotic BB PlusとEP Boosterを買ったことがあるのでちょっと恐る恐るではあったのですが、結果的に好きなタイプのペダルでよかったです。
いい意味でXotic感がないというか...EPはクリーンがツヤツヤしてたりXoticのキャラクターが上塗りされる耳覚えがあったのですが(因みにEPはポップスとかには使いやすいです。)SLはそんな感じではなく、プレキシガラスのマーシャルに準えたスタンダードなサウンドが再現されていました。
Kemperの多少ゲインアップしたBogner Shivaドライブチャンネルをプロファイリングしたプリアンプの前段に繋いでディストーションの目的で使用しています。なのでクリーンチャンネルに対してペダルだけでドライブトーンを作る人には参考にならないレビューかもしれないということを前提に書いておきます!
昨今のギャギャっとした鉄鉄しいハイゲインメタルのような音色ではなくもっとアンプライクで且つザクザクしたプレキシサウンドですね。
ギター側のボリュームの追従性はまあまあ、といった感じですが、このペダルをオンにしていて且つギター側のボリュームを落としてクランチで使う...ということはまあまずない(?)と思うんですがどうなんでしょう。僕はハイゲインサウンドが欲しかったのでディストーションを使いたい時にオンにする感じです。
ドライブペダルというより、主力はディストーションな気がします。
このSLと他のドライブ系のペダルを多段がけにして歪みを作るという話を聞くのですが、僕の環境ではSL単体でDIPスイッチのキャラクターを決めて、トーン/ドライブつまみで音作りしていく方が違和感が少なく感じました。他のドライブペダルとの相性はゲインの帯域が重複して相殺されてしまう部分も大きかったです。
ちなみに今回昇圧コンバータもセットで検証してみました。正直15Vと18Vの出音はそこまで大きく変わるものではなかったのですが9Vと比較すると違いは顕著でした。音圧がどうこう、というよりもピッキングのレスポンスがより繊細になっていく感じですね。ダイナミクスが大きくなるのでコンプ感が減ります。あとノイズも少ないです。
(そういえば昇圧スイッチを切り替えるときはなるべくアンプのスイッチをオフの、或いはボリュームを0にした状態で切り替えた方が良いです。ボンっという破裂音がするのでスピーカーに良く無さそう。)
昇圧によってアンプライクになるかと言われると、元々SLペダル自体の出音がアンプっぽいのもあってそこまで実感はできませんでした。
筐体のバックパネルを開けてDIP Switchの配列をブレンドさせて様々な音色を作ることができます。
このスイッチを切り替える事で中音域をブースト/カットしたり低音域のレンジを広げたりできるのですが、配列によっては結構出音が変化するので好きな兼ね合いを見つけて...っていう感じですね。特に4番のDIP Switchのトーンキャラクターの特質が濃かったです。ミッドスクープされたハイゲイン、いい意味でスクエアな感じがありました。(自分はオフにしてます)
どのDip Switchの配列も割とカリッとした印象なのでローミッドに広がりがある昨今のモダンフュージョン系のジャンルが好きな人には不向き(?)かなと思います。あとはToneを絞ると音量にもそこそこ影響があるという部分もありましたが個人的には結構好きなタイプのドライブペダルでした。
裏蓋を開けないといけないためDip Switchへのアクセスが不便だなという難点もあるのですが、Xotiqueのジャパンショップで内部ディップスイッチを筐体の側面に配置されたモデファイ・モデルを発売しています。
ほしい。