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MJTで製作していただいたテレキャスについて

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少し前の情報になるのですが、去年の11月くらいからコンポーネント系のテレキャスをオーダーしていました。それが最近完成して、状態も落ち着いたので書き残しておこうと思います。
MJTでのエイジド加工や塗料を乾かすのに時間がかかったみたいで、完成まで1年弱程度かかりました。

 

MJTというアメリカにある有名なレリック加工の会社があります。
1950年ー1960年代に生産された個体の様にニトロセルロースラッカー塗装をして、且つリアルなレリック加工をしてくれる塗装業者です。


この話は前から耳馴染みがあって、もしテレを作る機会があるならこちらでオーダーしてみようと思っていました。ネックはワーモスに注文しました。

 

自分はナッシュとかのテレは触ったことがなかったのですが、ヘクセルマンがテレを弾いてたのとジュリアンレイジのようにホンキーなクランチがかったブティックテレでジャズをやりたいのと、ニエリみたいなフュージョンでも使えるようなプレイアビリティの高いテレが欲しかったのでオーダーするに至りました。あと雑に扱ってもいいギターが欲しかったです。
(この辺は思うことが結構あるので長くなりそうなので省略します。笑)
フルアコでジャズをやるのに対してちょっとマンネリしてきたというのもあります。

 

Julian Lage - "Nocturne" (Live In Los Angeles) - YouTube


なんだか途方なくだらだら話が続きそうなので、早速覚えてるところのスペックを書いていきたいと思います。

 

ボディ材
アッシュ

 

ネック材
ローステッドメイプル

 

ピックアップ
Lollar Special T セット

 

アッセンブリ
Emerson Custom Pre-Wired Kit 3-Way Telecaster

 

塗装
ガンメタルバースト

 


09-46


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みたいな感じです。指板Rは9.5でフェンダータイプよりも緩やかな感じでとても弾きやすいです。今使っているガスリースペックのSuhrのネックよりもちょうどいいかも。

 

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フレットはステンレスでミディアムトールくらいだった覚えがあります。
ピックアップはLollarの52 TシリーズとSpecial Tで迷いましたが、結果的にSpecial Tとエマーソンアッセンブリーの組み合わせは選択としておそらく(?)正解だったのかなと思います。


Special Tはフロントはクリーンのツヤツヤキラキラしすぎてないミッドレンジの太く前に出るコンプ感とモダンなスタイルにも使えそうな汎用性を持ってる感じがしました。リアはうなるようなドライブとホンキーなサウンドです。トーンを絞るとモコモコ不透明に潰れるというよりは音が丸くなって後ろに下がるという感じです。トーンを上げるとスパンキーで倍音を含むクリーントーンになる感じです。
(常套句じゃないですよ。笑 本当にそんな感じです。)


ただ若干トーンノブの振り幅が広く効きが良いのでアンサンブルを気にしながら適切な音作りを演奏中に判断して調整するのは難しいです。(スピードノブみたいに視覚的に判断できるメモリがついてないからっていうのもある。)これはほとんどのテレに言えることなのかもしれませんが...。


本当はLollarからピックアップを購入する時に一緒にLuxe.022uFと.015uFバンブルビーコンデンサを購入したのですが、ちょっとエマーソンのコンデンサから付け替えて試すまでのエネルギーはありませんでしたね...いつかやるかもしれないです。Luxeコンデンサは1951年ー1953年に使用されたテレのコンポーネントとパフォーマンスが同じらしいです。忠実なヴィンテージ仕様に準拠してるって感じですかね(?)
ちなみにSpecial Tはクランチサウンドが馴染むようにピックアップヘイトを調整してからちゃんと弾いてみると微妙にフロントの方が出力が高いような感じがしました。

(Nachoのテレキャスとかはロンエリスピックアップが乗ってるらしいのですが、それはとても入手困難なので諦めました。)


多分先入観と妄想なのですがウッディで温かみのある倍音を含む感じに鳴ってくれてるように感じますが、Quilterと小さめのキャビ/Kemperとモニタースピーカーで弾いてみただけでチャンプとかツイードアンプでは鳴らしていないのでまだはっきりこうですとは言えません...。(ブティックテレを弾いたことがないのでそもそもそれとは比較できないです。笑)

 

Special Tはシングルにしてはちょっと音が太めなのでハムに聞こえなくもないかな、って感じです。(この辺に関してはセッションの時に少し違和感があったので今度書き足すかもしれないです。)
ちゃんとしたジャズの音作りをしたいのであればミニハムとかP-90あたりを載せるべきなのかなと思います。自分はフュージョンもしたかったのとオードソックスなテレが欲しかったので今回はやめました。

 

組み込みは地元の工房に頼んで組んでもらったのですが、組み込み時はややピックアップが弦と離れすぎていたので音像がクッキリしない印象でしたが、その辺は調整の塩梅によってかなり良くなりました。

また、ネックの状態に関してですが組み込み前のネックはやや捻れていて若干ハイポジション側に音詰まりが出るのを予見してたのでそこだけ危惧していました。


工房での組み込み作業が終わったので念のため擦り合わせ前に一度弦を張ってチューニングした状態にしてもらい、後日工房にお邪魔させていただき弾いてみたところ音詰まりやビビりに関してはほぼ気になりませんでした。(微妙にナットを削りすぎた感は否めないですけどそこも許容範囲内でした。)
ネックポケット云々も音や加工精度に関して問題なく加工が終了しました。組み込み後にネックが動いたり弦落ち・センターずれするかなと見込んでいたのですがそれは完全に杞憂でした。工房さんが技術のある方でよかったです。

 

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組む前はどんな状態であれ擦り合わせは前提条件として目算してはいたのですが、工房のオーナーさんから「擦り合わせはまだしない方がいい(と言ったニュアンスのこと?)」と言ってたのでしばらくはこのまま使おうかなと思っています。


ローストされて湿気をだいぶ飛ばしていますが作りたてのネックは気温/湿度や張力によってかなり敏感に変化するので今は様子を見ていたいです。というかこの状態が割といい状態なので擦り合わせによって悪い方向にシフトしていきそうというのもあって、自分の中ではしないのが有力です。
元起き・捻れ・波うち等変な反り方をしないで、いい感じで反ってくれれば助かります。(そこは本当にお願いしますと言った感じです。)


ローステッドメイプルの恩恵なのかわかりませんが、一ヶ月経過した現在、まだ変な反り方とかはしてないです。工房から持ち帰った後は、サドル、オクターブ、ピックアップの高さ等は自分で納得いくまで詰めました。

 

ひとつだけ問題がありまして、塗装の工程上仕方ないのですがMJTによる指板面の塗装がどうしてもフレットの上にも被る形で塗膜が張り付いてしまっている状態に違和感がありました。オーダー時のメールでもフィンガーボードに関しては必要最低限の事以外何もしないでくださいと注文はしていたのですがうっすら押弦の跡が残るようエイジド加工がされていまして、(使い古したフレットって感じです)ほぼ全部のフレットにかかるように塗装が乗っていました。

 

これだとやはりベンド時や微妙に弦とフレットが擦れあう瞬間のゴリゴリ/ザリザリ感が気持ち悪いのでスポンジヤスリで500-3000まで磨いて最後にスクラッチメンダーをかけてツルツルにしました。ついでにフレットボードには黒鍵の位置にポジションマークのシールを貼るので指板上の押弦の痕の汚れみたいなのも落としました。(MJTさんごめんなさい)


バフ後は押弦の感触も変わらずデッドポイントも出ることなく無事終了しました。

それくらいですかね(?)
あとはMJTが供給しているペグが若干安物あるあるな感じの回り方でナットオイルを塗ったりしてもチューニングが弦の張力にだんだん負けてピッチが変化しやすいっていうところくらいですね。(微妙にネックが動いてるのもあるかもしれないです。)
ですがここも自分としては許容範囲内です。


それと若干ナットが低いので、左手の感覚的にローフレの方が弦高を低く感じすぎてしまうところをいつか直してしてみたいです。

 

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組み込み前の状態を何枚か貼っておきます。

 

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